雅紀にキャーキャー言ってる女の子がわからない。
近くにいたって何の魅力も感じない。
どこがいいのかねぇ〜・・・こんな馬鹿の・・・




【順番違い?】




夏のコンサートが近いらしく、雅紀はここのところ忙しい。
メールを送っても、返事がくるのは夜中だったり次の日の朝だったり・・・
電話したところで出るはずもない。
アイドルってのもなかなか大変だなぁ〜と思う。
おちゃらけて、馬鹿やってるポジションの雅紀。
それはそれで雅紀にとっては居心地がいいのかもしれない。
ジャニーズって事で女の子にもキャーキャー言われてさ・・・
学生時代は全然モテなかったのに。


〜今日俺、泊まってもいい?」
久々に現れたかと思うと当然のようにくつろぎだす。
仕事で疲れてるのかと思いきや・・・いつもながらのハイテンション。
雅紀の元気はいったいどこから溢れてくるんだろう。
私だってバイトで疲れてるのに・・・雅紀の相手をするのもなかなか疲れる。
「家帰んないの?おばさん帰ってくるの待ってるんじゃないの?」
「だって実家帰ると時間もったいないじゃん。しかも俺アレ見たかったし。」
アレというのはテレビ番組の事。
それのためだけにうちを選んだ訳ね。
「別に泊まってもいいけど布団ないよ?」
「いいよー、一緒の布団で。」




おかしいですよね。



いくら私達が男女を感じない友達だからって。
普通・・・『だったら俺ソファーで寝るし』とかでしょ?
やっぱり雅紀の頭はどこかズレてる。
「あぁー、ー俺のカバンとってー」
「えー?何で私が取らなきゃいけない訳?」
ブツブツ文句を言いながらも結局取ってしまう。
これって一種の条件反射ってヤツなんだろうか。
自分の行動にため息をつきながら雅紀にカバンを投げると『サンキュー』と言いながら笑顔を向けられる。
アイドルってものになると・・・笑顔までかわってくるもんなのかね。
まるで別人みたいだよ。
いけてなくて、抜けてて・・・情けなかった相葉雅紀が・・・・
不覚にもその笑顔にドキっとしてしまった事が悲しい。
「今日ねーファンの子からお菓子もらったんだー!と一緒に食べようと思って!」
そう言いながら次々と得体の知れないお菓子を取り出してくる。
「こうゆうのってさ・・・毒とか入ってそうで怖くない?」
「えーー大丈夫だよー。手作りはさすがに引くけど、これ市販の奴だし。なんならリーダーが買ってくれたお菓子にする?」
何でそんなにお菓子を持ってるんだかわからないけど、あっという間にテーブルの上はお菓子でいっぱいになった。
それを眺めながら本当に嬉しそうな顔をする雅紀を見てると、私までなんだか嬉しい気持ちになってくる。
こうゆうのが・・・アイドルのオーラって奴なんだろうか。
そんな意味のわからない事を考えながら・・・
なんとなく雅紀を遠く感じて切なくなった。


得体の知れないお菓子たちは、地方限定とか、期間限定といわれるもので、パッケージを見て見た事もない事に対する疑問は解けた。
何だかんだ全部開封してテーブルの上には食い散らかされたまま。
お風呂から上がった雅紀は長い髪の毛をまとめてバスタオルをクルクルと頭に巻いて、そのまま『暑いー』と言いながらベットにダイブしてきた。
雅紀が来る前にお風呂に入ってた私は、寝る気満々。
すでにベットの上で雑誌を読みながらくつろいでた私の体がスプリングのせいで少し浮く。
「雅紀さ・・・本気でここで寝るの?」
「うん、本気。だって風邪ひいちゃうじゃん?」
それはそうかも知れないけど・・・
その前に考える事あるだろ・・・普通。
雅紀の顔をジーっと見つめてると雅紀の方はまったく悪気がないらしくニコニコしてる。
考えるだけ無駄・・・か。
「じゃあ寝ようか。」
「うん!」
二人で布団の中に入る。
さすがに二人だと窮屈に感じる。
何度か彼氏と一緒に寝た事はあるけど・・・久々だったりする訳よ。
「一緒に寝れるなんて…夫婦みたいだね」
真っ暗な部屋に雅紀の声が響く。
「・・・・何言ってるの?」
寝れるなんて・・・って・・・言葉間違ってるでしょ。
「俺ねーが奥さんになってくれたら幸せだなーって思うよー」
「は?」
また素っ頓狂な事を・・・・
何の脈略もなくそうゆう発言はよしていただきたい。
「結婚しよっかー」
「は????」
突然何を言い出すんだろうか。
唖然というか・・・頭にくる。
「馬鹿な事言ってないで寝なさいよ!明日も早いんでしょ?」
これ以上雅紀の戯言に付き合ってられない。
何が結婚よ・・・馬鹿みたい。
雅紀に背中を向けて目を閉じる。
「なんだよー冷てぇーな。」
冷たいとか、そうゆう問題じゃない。
雅紀の言動に一人であたふたして・・・一人でドキドキしてるのが気に食わない。
「あっ!!そっか!!!」
何を思ったのか一人で体を起こし、パチンという手を叩く音が聞こえる。
「ねぇーねぇーー起きてよー」
「何よ!もう寝るんだから!」
「寝てもいいけどさ、これだけは言っとかないと!」
「じゃあ聞くけど・・・聞いたら寝るよ?いい?」
「うん!!」
暗闇に慣れてきた目で雅紀を見ると、妙に輝いてる笑顔。
怖すぎる。
「夫婦になるのは間違ってた!ごめんね!」
「は???」
よいしょ・・・と言いながら体勢をかえて布団の上に正座する。
「順番間違えちゃった。まずは恋人からお願いします!」
それから深々と頭を下げる。
「何・・・」
「これが言いたかったんだ!これでスッキリ!じゃあおやすみ!また明日ね!」
私の返事も聞かないで素早く布団に入る。
私の返事はいらない訳!?
いったい何なの!?
「ちょっと雅紀・・・」
話の展開の早さについていけない。
布団をかぶってしまった雅紀を覗き込むとすでに寝息をたてていた。
自分だけスッキリかよ・・・


雅紀の気持ちが本気なのかはわからないけど・・・
起きた私の体にはしっかり雅紀の腕が巻きついてたから。
少しだけ前向きに考えてやろうと思ったりした。



END


8号に『むしろマサキを嫁にほしい』と言われた。(笑


もう訳がわからにゃーい。
この台詞は相葉ちゃんしか思い浮かばなかった。
あぁ・・・リベンジします、必ず。
ごめん・・・18号。マジ反省中。


2004/5/23